G1わずか2勝とはちょっと意外?エアグルーヴ

 

「女は強し」とはよく言ったもので、どこの世界においても女性が幅を利かせる時代になりました。

 

私は以前まで長い間食品スーパーで働いていたのですが、品出しそっちのけで、パートさんのご機嫌取り、話し相手になっていたものです。

 

サラブレッドの世界においてもそれは顕著で最強牝馬アーモンドアイを筆頭にリスグラシュー、少し前のジャンティルドンナ、ブエナビスタ、ウォッカ、ダイワスカーレット・・・

 

何か男馬がだらしなく思えてしまいますがそうではなく、最近は牝馬の活躍が素晴らしいのは目に見えて明らか。

 

牡馬混合のG1を勝つなんて日常茶飯事になっております。

 

ただ、私が競馬に興味を持った頃は、「牝馬<牡馬」という図式がしっかり当てはまっていた時代。

 

牝馬限定のG1に勝った馬とて牡馬混合戦になると、全然歯が立たなくなってしまうのが当たり前でした。

 

ちなみに人間の女性はとなると、その頃から十分に強かったですが(私の個人的見解です)。

 

そんな男馬全盛の時代。

 

女馬の圧倒的劣勢をも跳ね返してくれた牝馬が、1頭だけおりました。

 

エアグルーヴ。

 

バブルガムフェローやマーベラスサンデー、サイレンススズカら歴戦の強者揃いの牡馬に真っ向から立ち向かい、天皇賞〈秋〉を勝ち、ジャパンカップは2度の2着。

 

90年代を代表する最強牝馬でした。

 

エアグルーヴは、オークス馬ダイナカールと、父はトニービンというサンデーサイレンス、ブライアンズタイムと並ぶ当時の一流種牡馬の間に生まれます。

 

デビューは2着でしたがその後連勝し、阪神3歳牝馬ステークス(G1)に駒を進めるも、ビワハイジに敗れ2着。

 

しかし、明け4歳(年齢は全て旧表記)になるとチューリップ賞で、そのビワハイジに5馬身差の圧勝。

 

一躍桜花賞候補に躍り出るのですが、その桜花賞は熱発で回避。

 

満を持してオークスに挑み、桜花賞馬ファイトガリバー以下を寄せ付けず完勝。

 

世代最強牝馬に名乗りを挙げました。

 

しかし当時エアグルーヴは体調が安定せず、秋を迎えてもそれは治まりません。

 

トライアルレースを使うことなく、当時の新設G1秋華賞に挑みます。

 

ファンはオークスからぶっつけでも、エアグルーヴの底力を信じて1.7倍の圧倒的人気に推しますが、全く行きっぷりが悪く3コーナー過ぎに武豊騎手が早くもムチを入れだす始末。

 

それでも全く見せ場すら作れず10着大敗。

 

おまけにレース中骨折が判明し、長い療養生活に入ります。

 

約9ヶ月の休養の後、エアグルーヴは翌5歳の夏、マーメイドSで復活勝利を挙げ、続く札幌記念を快勝し、いよいよ本格化するのです。

 

当時の牝馬は牡馬混合の天皇賞〈秋〉、ジャパンカップに挑む馬は本当に稀で、古馬G1に生まれ変わった牝馬限定のエリザベス女王杯に進むのが一般的。

 

しかしエアグルーヴはエリザベス女王杯には目もくれず、秋3走を天皇賞〈秋〉、ジャパンカップ、有馬記念の超王道路線へと定めたのです。

 

歴戦の牡馬でもこのG1レース3連闘、完走するだけでも非常に稀。

 

この辺が、女傑と言われる所以なのですね。

 

迎えた天皇賞〈秋〉。

 

バブルガムフェローとの壮絶なたたき合いをクビ差制し、あの3200m時代の大逃げプリティキャスト以来の天皇賞〈秋〉制覇となったのです。

 

実況の三宅正治さんの絶叫が忘れられません。

 

「バブルかエアかバブルかエアか……エアグルーヴ!!」

 

「15頭の男馬を蹴散らした!恐ろしい馬です」

 

そう、エアグルーヴ以外にこの天皇賞〈秋〉に出走した牝馬は誰1頭もおりませんでした。

 

信じられないかも知れませんが、本当にこの時は牝馬が牡馬に勝つのは絶対ムリと言われた、ある意味亭主関白の時代。

 

短距離ではフラワーパークとかがいましたけど。

 

本当にこの勝利には鳥肌が立ったのを覚えております。

 

その後、ジャパンカップはバブル以下を完封するも、あと少しという所でピルサドスキーが馬っ気を出して??追い込んできてクビ差交わされ2着。

 

もしエアグルーヴが男馬だったら、絶対勝てたと思う……。

 

というかピルサドスキーは追い込んでこなかったかも知れません。(私自身の見解ですが)

 

そんな訳で惜しくもジャパンカップを逃したエアグルーヴは有馬記念に向かいます。

 

早め先頭に立ち押し切ろうとするもマーベラスサンデーに差され、また4歳馬シルクジャスティスの後塵を拝し3着。

 

またしても男馬の壁に跳ね返されるのです。

 

ただこの秋のG1レース3戦を、大きく崩れる事なく見事に戦い切ったエアグルーヴは、その年度代表馬に選ばれたのでした。

 

そして年が明けエアグルーヴは6歳になりましたが、現役を続けます。

 

年明け初戦の産経大阪杯は勝利するも、鳴尾記念でドロンコ馬場に脚をすくわれ、まさかのサンライズフラッグに敗れ2着。

 

そして宝塚記念は前年に負かしたサイレンススズカが現役最強馬に君臨しており、それでも果敢に差を詰めるも届かず3着。

 

この頃のエアグルーヴは、常にありったけの力で全力を尽くすため大崩れはしないものの、明らかに前年秋に見せていたパフォーマンスからは、少しずつ陰りが見えているようでした。

 

それでも続く札幌記念では、牝馬には酷ともいえる58㎏を背負うも2着以下に3馬身をつける快勝。

 

秋のG1シリーズへ向かう事になるのですが、前述した通り当時はサイレンススズカの1強時代。

 

ここの所取りこぼしも目立つようになり、往年の力に陰りが見え始めているエアグルーヴは、前年勝利した天皇賞〈秋〉ではなく牝馬限定のエリザベス女王杯に向かい、確勝を期すのです。

 

しかし、1歳下のメジロドーベルが、牝馬相手には無敵を誇っておりこのエリザベス女王杯も快勝。

 

確勝を期したはずのエアグルーヴはランフォザドリームにも先着を許し3着。

 

大崩れはしないが、なかなか勝ちきれなくなったこの頃のエアグルーヴ。

 

気を取り直し中1週でジャパンカップに向かうも、マル外の4歳馬エルコンドルパサーに敗れ2着。

 

そしてラストランの迎えた有馬記念では、落鉄の影響もあって5着と敗れ去りました。

 

こうしてみると、エアグルーヴが勝ったG1レースは、オークスと天皇賞〈秋〉のわずか2つだけ。

 

少々意外な感もありますが、エアグルーヴの魅力はそんな所ではないのですよ。

 

牝馬劣勢の時代に男馬相手に一歩も引かず、歯を剥き出しにして常に全力で走り続け、そして一歩も引かなかった事。

 

この事だけで、私としては立派なスーパーヒロインです。

 

メジロドーベルも、ダンスパートナーも牝馬相手には異様に強かったけど、男馬相手だと全く歯が立たなかったし。

 

その点、エアグルーヴは何かやってくれそうな雰囲気を常に醸し出していた。

 

この雰囲気とか、オーラというか、目に見えないものが結構重要だったりするのかも。

 

母としてもアドマイヤグルーヴやルーラーシップなど大物を出して大成功。

 

またおばあちゃんとしてもドゥラメンテがダービー馬になりましたね。

 

もうすでにエアグルーヴは天国に旅立っているのだけれども。

 

天国でピルサドスキーに追い掛け回されていないかだけが気がかりです。

 

余談ですが私、昔好きなタイプは?と聞かれエアグルーヴと本気で答えておりました。

 

今回の記事は以上です。

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

 

投稿者プロフィール

高橋広治
高橋広治
データを駆使した戦略競馬の賢才
人と違う視点や切り口で競馬を分析することに長けている頭脳派。データ分析ソフト『TARGET』を使いこなして、周りがアッと驚く馬券術を生み出す。そのレベルは折り紙付きだ。

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